ドメインコントローラサーバを交換するとき
以前と同じIPアドレスとホスト名にしたい場合があります。
比較的簡単に行う方法が分かりましたのでメモとして残します。
なお、検証はWindows Server 2012 R2で行っています。
始めに
例として以下のDC構成とします。
DC1 : IP 192.168.1.1(移行対象)
DC2 : IP 192.168.1.2
Domain: test.local
新サーバ DC3をDCに追加します。
DC3 : IP 192.168.1.3
FSMOをDC3へ
DC1をDC降格
※降格するまえにDC1のDNSにDC1が含まれていたら消します。
DC1をドメインから削除
DC1をシャットダウン
このような構成になります。
DC3 : IP 192.168.1.3
DC2 : IP 192.168.1.2
ここからDC3をDC1へ変えていくわけです。
IPアドレスの変更
IPアドレスの変更はTechnetに掲載されてました。
普通にUIで設定してますが、ここではコマンドでやります。
IPアドレスの変更 > netsh interface ip set address "イーサネット" static 192.168.1.1 255.255.255.0 192.168.1.254
DNSの設定 > netsh interface ip set dns "イーサネット" static 192.168.1.10 primary no > netsh interface ip add dns "イーサネット" 192.168.1.11 index=2 no
ホスト名の変更
次にホスト名を変更する前にDC1が残っていないか確認します。
「Active Directory ユーザーとコンピューター」を見て
DC1が残っていたら削除します。
ここからコマンドでホスト名を変えていきます。
コンピュータ名の確認 > netdom computername %computername% /enum DC3.test.local
コンピュータの代替名を追加 > netdom computername %computername% /add:DC1.test.local
コンピュータ名の確認 > netdom computername %computername% /enum DC3.test.local DC1.test.local
コンピュータ名の優先順の変更 > netdom computername %computername% /makeprimary:DC1.test.local > shutdown -r -t 0
旧コンピュータ名の削除 > netdom computername %computername% /remove:DC3.test.local
この手順を行えば、ドメインから外してホスト名を変えて
もう一度ドメインに参加するという面倒さがなくなります。
変更が反映されたか「Active Directory サイトとサービス」を
確認しておわりです。
DNSも確認しておいた方がいいでしょう。
ADSIエディタから旧ホスト名の削除
追記:2020/01/10
ADSIエディタをみていたらホスト名が変わっていないことに気付きました。対応策はこちらに載っていました。
ドメイン コントローラーのコンピューター名の変更における注意事項について
要はADSIエディタを開いて該当のホスト名を修正するだけでいいみたいですね。面倒なコマンド等はいらないのは楽でいいです。
コメント
はじめまして。
DCの名前変更やIDアドレス変更について検証を行っております。
本記事をひと通り拝見させていただきましたが、変更後にADの機能確認を実施されておりますでしょうか?
FSMOをDC3へ転送された後に、DC3のコンピュータ名を変更されていますが、この場合、名前付けマスタを保持しているDCのコンピュータ名を変更してしまうことになり、Active Directoryのデータベースが壊れてしまう可能性が高いです。最悪の場合、AD自体にアクセスできなくなります。
3台用意で行われておりますので、この場合はFSMOの役割はDC2に転送しなければいけないと思います。
はじめまして。
仮想環境で2回、物理で1回実施し問題ないと思っていました。
確認内容は下記のものも実施していますが、ほかにも必要なものがありましたら確認してみたいです。
・イベントビューアのエラー確認。
・FSMOすべて新しいホスト名に反映されているか。
・クライアントのドメイン参加
・クライアントのGPO反映
なにも起きなかったのは運が良かったのかな…
どうも。
大変失礼いたしました。
前提環境がWindows Server 2012R2 の3台ということでしょうか。
この場合であれば、おそらく新機能として追加されたActive Direcotry 自動修復機能が動作するため、内部で問題なく処理できると思われます。
私がご報告させて頂いたのは、ドメインコントローラに2008R2以前のディストリビューションが含まれている場合の話です。
環境のところを読み落としておりまして、お騒がせいたしました。
なるほどそんな機能があるのですね。
今回の記事はDCのまま、ホスト名とIPを変更することを焦点にしたかったので、すべて2012R2の環境にしました。
ですが、動作検証はDC1、DC2は2003、DC3は2012R2という環境でも行っています。
もしかして、FSMOをすべて2012R2に移動したからこそADが壊れなかったのかもしれません。
すばらしい!
私の場合は新規で設置したサーバーに適当につけたコンピューター名が気に入らなくて、変更しようにも普通にはできず困っていました。
こちらの方法で何の支障も無く変更できました。最悪再セットアップでもと考えていたので大変助かりました。